相続における寄与分とは?認められる要件と特別寄与料について解説

2025-02-25

相続における寄与分とは?認められる要件と特別寄与料について解説

この記事のハイライト
●寄与分とは特別な貢献をした相続人が法定相続分より多くの遺産を受け取ることができる制度
●寄与分の要件は期待以上の貢献である・無償または無償に近い行為・一定期間以上貢献したことなど
●相続人以外の親族が特別な貢献をした場合は特別寄与料を請求することもできる

被相続人の財産を守ったり増やしたりする手助けをしてきた場合、法定相続分以上の遺産を受け取れる可能性があります。
本記事では、相続における「寄与分」とはなにか、認められる要件と特別寄与料について解説します。
千葉県成田市で不動産相続を検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

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相続における寄与分とは?

相続における寄与分とは?

寄与分とは、被相続人の財産をとくに支えたり増やしたりした相続人がいる場合、その方に通常の相続分より多くの遺産を受け取らせる制度です。
遺言書がない場合、遺産は法定相続分に基づいて分けられるのが一般的です。
しかし、相続人のなかに親の介護をしてきた方や、家業を無給で手伝ってきた方がいると、法律通りに分けるだけでは不公平に感じることもあるでしょう。
そこで、被相続人に貢献をしてきた方には「寄与分」が認められ、他の相続人と公平に遺産を分けることができます。
寄与分を受け取りたい場合、主に以下の3つの請求方法があります。

①相続人同士で話し合いをする

相続人同士で遺産分割協議をおこない、寄与分を話し合いで決める方法のメリットは、短期間で解決できる点です。
また、裁判所を介さないため、手続きが簡単になります。
一方、デメリットは、専門知識がないと話し合いが難航する可能性がある点です。
合意に達しない場合、他の方法を検討する必要があります。
遺産分割の話し合いをスムーズに進めるためにも、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

②家庭裁判所の調停を利用する

家庭裁判所に申し立てて調停をおこない、寄与分を請求する方法のメリットは、裁判所が間に入るため、話し合いが進みやすくなる点です。
公平な第三者が調整をおこなうため、納得のいく結果が得られる可能性が高いです。
一方、デメリットとして、調停手続きに時間がかかることがあります。
また、平日に裁判所に出向く必要がある点にも注意が必要です。
調停を利用する際は、必要な書類や証拠をしっかり準備しておくことが重要です。

③家庭裁判所の審判を利用する

調停が不成立となった場合に家庭裁判所の審判手続きを利用する方法があります。
メリットは、最終的な判断が裁判所によって下されるため、強制力がある点です。
公正な審判により、納得のいく結果が得られる可能性があります。
一方、デメリットは、さらに時間がかかる点です。
証拠や資料の準備が必要で、手続きが複雑になることがあります。
審判に移行する際は、遺産分割の審判申立てと寄与分を認める審判申立ての両方が必要です。

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相続時に寄与分が認められる要件とは?

相続時に寄与分が認められる要件とは?

被相続人に対して貢献したからといって、必ずしも寄与分が認められるわけではありません。
寄与分が認められるための5つの要件や5つの型、時効について解説します。

寄与分が認められる5つの要件

寄与分として認められるためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
1つでも満たさない場合、寄与分は認められませんので注意が必要です。

  • 相続人であること
  • 財産の維持や増加に貢献したこと
  • 期待される以上の「特別な貢献」であること
  • 無償または無償に近い行為であること
  • 一定期間以上にわたって貢献したこと

寄与分を請求するためには、まず相続人であることが必要です。
また、被相続人の財産を守ったり増やしたりするために具体的な貢献をしたことが求められます。
上記の5つの要件のなかでも「特別な貢献」 はとくに重要です。
親子や夫婦としての多少の世話や食事の準備といった日常的なサポートではなく、通常期待される範囲を超える大きな貢献を指します。
たとえば、被相続人の事業を無償で支え続けた場合や、長期間にわたり専門的な介護をおこなった場合などが該当します。
なお、特別な貢献には明確な基準がないため、基本的には相続人同士の話し合いで判断しましょう。
貢献に対しては、金銭や物品などの対価を受け取っていないことが条件です。
さらに、短期間ではなく、長期間にわたって継続的に貢献していた事実が必要です。

寄与分が認められる5つの型

寄与分が認められる主なケースは、以下の5つの行為に関連します。

  • 事業従事型:被相続人の事業運営や手続きを手伝っていた場合
  • 金銭出資型:被相続人の不動産購入や事業のために資金を提供した場合
  • 療養看護型:被相続人の介護をおこなっていた
  • 扶養型:被相続人の日常生活に必要な資金を援助していた場合
  • 財産管理型:被相続人の財産を管理・運営していた場合

寄与分を主張する際は、これらの特別な貢献があったことをしっかり証明する必要があるため、注意しましょう。

寄与分の時効とは

2023年4月1日の民法改正により、寄与分を請求できる期間が「相続が発生してから10年以内」に変更されました。
10年を経過すると、寄与分は考慮されず、遺産は法定相続分に基づいて分割されます。
つまり、寄与した分が反映されず、他の相続人と同じ割合で遺産が分けられることになります。
寄与分を請求したいと考えている方は、早めに行動を起こすことが大切です。
時間が経つと時効が成立し、寄与分を主張できなくなります。

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相続における「特別寄与料」とは?寄与分との違いについて

相続における「特別寄与料」とは?寄与分との違いについて

特別寄与料とは、被相続人(亡くなった方)に対して特別な貢献をした「相続人ではない親族」に支払われるお金のことです。
具体的には、相続人以外の親族が介護をした場合に適用されます。
たとえば、息子の配偶者(義理の娘)が長期間にわたり親を介護していた場合などのケースが挙げられます。

特別寄与料が必要になった背景

従来の法律では、寄与分を請求できるのは基本的に相続人だけでした。
しかし、実際には相続人以外の親族が多大な貢献をしているケースも少なくありません。
たとえば、被相続人の息子の配偶者が被相続人を介護していたが、法律上は相続人に含まれない場合、配偶者が多く貢献していても、寄与分を請求することができませんでした。
そこで、2019年7月1日に民法が改正され、特別寄与料の制度が導入されました。
改正により、相続人以外の親族も特別な貢献をした場合に、特別寄与料として遺産の一部を受け取ることが可能になります。

特別寄与料を請求するための要件

特別寄与料を請求するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 無償で療養看護などの労務の提供をおこなったこと
  • 相続人以外の親族であること
  • 被相続人の財産の維持または増加について「特別の寄与」をおこなった

なお、請求する際は、介護の記録や財産管理の証拠など、特別な貢献を証明する資料が必要です。

特別寄与料を主張できる親族

特別寄与料を主張できる親族は、以下の範囲に該当する親族です。
6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族です。
たとえば、兄弟姉妹やその配偶者、義理の両親、義理の兄弟姉妹などが挙げられます。
このように、広い範囲の親族が特別寄与料を主張できるようになっています。
なお、内縁の妻や夫は法律上の配偶者ではないため、特別寄与料を請求することはできません。

特別寄与料における注意点

特別寄与料は、被相続人に対して無償で提供した療養看護などの労務に限られ、金銭の出資や資金提供は認められませんので、注意が必要です。
請求期限は、相続開始から1年以内または相続の開始や相続人を知った時から6か月以内です。
上記の期限を過ぎると、特別寄与料の請求が認められなくなります。
また、特別寄与料を受け取ると、相続税が2割加算されます。

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まとめ

寄与分とは、遺産の維持・増加に特別な貢献をした相続人が、法定相続分より多くの遺産を受け取ることができる制度です。
寄与分の要件は、期待される以上の貢献であること、無償または無償に近い行為であること、一定期間以上にわたって貢献したことなどがあります。
相続人以外の親族が特別な貢献をした場合は、特別寄与料を請求することも可能です。
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