「空き家法」改正決定!固定資産税増税の可能性がある「管理不全空き家」とは?

2023-07-17

空き家

「空き家法」改正決定!固定資産税増税の可能性がある「管理不全空き家」とは?
  

2023年6月、空き家対策特別措置法(空き家法)の改正が決まりました。同法は、管理が行き届いていない空き家に対して“ペナルティ”を与えることが可能なものです。2015年の施行以降、3万戸を超える空き家の所有者に対し、行政による指導や勧告、命令などが出されています。


ペナルティには、空き家が建つ土地の固定資産税の実質的増税も含まれています。さらに、同法改正により、このペナルティを受ける可能性のある空き家はこれまでの「特定空き家」から「管理不全空き家」にまで広がります。


空き家対策特別措置法(空き家法)とは?

空き家法とは、増加の一途をたどる空き家の除去や適切な管理を後押しするために施行された法律です。施行前まで、個人の資産である空き家の管理や維持に行政に立ち入ることはできませんでした。しかし同法施行により、行政機関は、管理が行き届いていない空き家に対し、実質的な固定資産税増税や過料、強制的な取り壊しといった対応を取れるように。空き家所有者への風当たりは一層強くなったといえるでしょう。

(出典:国土交通省

空き家の数は、この30年間で2倍以上に増加しています。中でも、二次的に使われている空き家、賃貸または売却用の空き家を除く「その他の空き家」の増加が問題視されています。

「その他の空き家」とは、使用されておらず、何の用途も持たない空き家です。このような空き家は所有者に放置されてしまうことも少なくなく、周辺地域に防災性・防犯性の低下や景観の乱れ、衛生の悪化などの問題をもたらします。

空き家所有者は要注意!行政から与えられるペナルティとは?
(出典:国土交通省

行政はまず空き家法に則り、周囲に悪影響をもたらす可能性のある空き家を「特定空き家」に指定します。

特定空き家とは、次のような状態にある空き家を指します。


  • 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態 

  • 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態 

  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態


そして、次の順序で空き家所有者に対して“ペナルティ”が与えられます。


調査を拒んだら過料に

行政は、空き家に強制力のある対応が取れます。まずは、立ち入り調査が可能に。これを拒んだ場合、20万円以下の過料に科されます。

勧告のタイミングで固定資産税が実質的に増税する

調査によって特定空き家に指定されると、続いて行政による指導や助言が行われます。それでも改善が見られなければ「勧告」へと進み、このタイミングで空き家の建つ土地の「住宅用地の特例」の適用が解除となります。


住宅用地の特例とは、固定資産税や都市計画税の課税標準額を次のように軽減する特例です。



固定資産税課税標準額

都市計画税課税標準額

200㎡以下の小規模住宅用地

1/6

1/3

200㎡を超える部分の一般住宅用地

1/3

2/3


この特例が適用されなくなることで、実質的に固定資産税は大幅に上がります。

命令に従わなければ50万円以下の過料に

ペナルティは、固定資産税の実質的増税が最後ではありません。続く「命令」に従わなければ、50万円以下の過料に科されます。

最終的には代執行に

行政は、最終的に空き家を解体、撤去する権限も持っています。これを「代執行」といいます。空き家の除去は強制的ですが、解体にかかった費用は所有者の負担です。支払いができない場合は、財産が差し押さえられる可能性があります。


固定資産税増税などの可能性が「管理不全空き家」にまで拡大!

空き家法に基づき、これまで3万戸以上の空き家が助言・指導の対象になりました。勧告された空き家、つまり固定資産税の優遇措置が撤廃となった空き家は2,000戸以上、代執行にいたった空き家は400戸以上になります。


しかし、それでも増え続ける空き家とその問題の深刻さに鑑み、政府は空き家法を改正し、指導と勧告の範囲を「特定空き家」から「管理不全空き家」にまで拡大する法案を可決しました。

管理不全空き家とは


管理不全空き家とは、放置すれば特定空き家になるおそれがある空き家を指します。現存する特定空き家は2万戸ほどとされていますが、管理不全空き家の数は、なんと20万戸以上。勧告のタイミングでは、特定空き家と同様、固定資産税の実質的増税が待ち受けています。

成田市の空き家問題

(出典:成田市


成田市の空き家率は、上記のとおりです。空き家率が高いのは、八生地区や豊住地区、下総地区、大栄地区。中でも、豊住地区と下総地区は、6年前と比較して空き家率が大きく上昇しているのが目立ちます。大栄地区の空き家率は10%を下回っていますが、住宅の数が多いため、空き家の数からいえば最も多いエリアとなっています。

空き家の売却はお早めに

(出典:成田市


成田市によれば、成田市の人口は2045年まで増加し続ける見通しです。しかし、増加するのはほぼ老年人口であり、空き家の売却を考えれば、生産年齢がピークを迎える2035年までが正解。ただし、生産年齢人口割合の推移推計を見るとすでに低下傾向にあるため、できるだけ早いほうが買い手は付きやすいといえるでしょう。

成田市の空き家に関するご相談はハウスドゥ成田山店へ

早ければ、2023年内にも施行される改正空き家法。成田市内でも、これまで以上に固定資産税が上がる可能性のある空き家が増えるものと考えられます。「空き家を手放す」という選択をする人が増えれば、市場に出回る空き家も増加します。不動産の価格は需給バランスで決まるため、空き家の増加および空き家法の強化は、空き家を所有している方にとって大きなリスクだといえるでしょう。成田市の人口推計を見ても、できる限り早く手放すに越したことはありません。


成田市の空き家でお困りの方は、どうぞお気軽にハウスドゥ成田山店でご相談ください。


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