不動産売却後に確定申告が不要なケースとは?確認方法や3つの特例を解説

2024-10-22

不動産売却後に確定申告が不要なケースとは?確認方法や3つの特例を解説

この記事のハイライト
●不動産売却時に確定申告が不要かどうかは譲渡所得の計算をすると確認できる
●確定申告が必要なのに申告を忘れた場合は無申告加算税や延滞税を科されるため注意が必要
●税金の特例を適用するには確定申告が必要となるため事前に適用条件を確認することが大切

不動産を売却したら確定申告が必要だと思っている方が多いですが、実は、確定申告が不要なケースも存在します。
本記事では、不動産売却後に確定申告が不要となる場合の確認方法や確定申告が必要なのに忘れた場合のリスクと対処法、不動産売却の確定申告で適用できる3つの特例について解説します。
千葉県成田市で不動産売却を検討中の方は、ぜひご参考になさってください。

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不動産売却後に確定申告は不要?確認方法について

不動産売却後に確定申告は不要?確認方法について

不動産売却時には、原則として発生した利益に対する税金を確定させるため、確定申告が必要となります。
しかし、状況によっては確定申告が不要な場合もあります。
確定申告の要否を確認する方法は、以下のとおりです。

①利益の有無をチェック

確定申告の主な目的は、不動産売却で生じた利益に対する税金を申告することです。
つまり、利益が発生していない場合は確定申告の必要がありません。
利益(課税所得)の計算方法は、以下のとおりです。
課税譲渡所得=売却額-取得費-譲渡費用
売却額とは、不動産を売却した金額のことです。
取得費とは、不動産の購入額に不動産取得税など、購入時の諸費用を合わせた金額になります。
なお、建物については、購入費から減価償却費を差し引きます。
譲渡費用とは、売却時にかかった費用(印紙税、仲介手数料など)です。
たとえば、売却額4,000万円、取得費4,500万円、譲渡費用100万円の場合「4,000万円-4,500万円-100万円=-600万円」となり、600万円の損失が発生しているため、確定申告は不要となります。

②特例適用の有無をチェック

原則として、不動産売却で利益が出ていない場合、確定申告は不要です。
しかし、以下の特例を活用したい場合は、利益の有無に関わらず確定申告が必要となります。

  • 3,000万円特別控除
  • 10年超所有軽減税率の特例
  • 譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例

これらの特例のうち「譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」を除く2つは、課税所得からさらに控除を受けられる制度です。
そのため、特例適用後にはじめて譲渡所得が0円となるケースでも、確定申告が必要となります。
一方「譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」は、譲渡所得がマイナスになった場合に利用可能な制度です。
この特例を活用すると、給与所得や事業所得など、他の所得と損益通算をおこなうことができ、その年の所得税を軽減することができます。

③税務署からの問い合わせ

不動産売却で利益が発生せず、確定申告が不要と判断された場合でも、税務署からお問い合わせが来る可能性があります。
これは決して珍しいことではありません。
税務署は、登記事項の変更から不動産取引の発生を把握することができます。
そのため、取引の事実は認識していても、確定申告がなされていない場合、状況確認のために連絡が入ることがあります。
税務署から確定申告をしていない理由について問い合わせがあった場合、冷静に対応することが重要です。
以下の点に注意して準備しておきましょう。
証明書類の準備
利益が発生していないことを証明する書類を事前に用意しておくことをおすすめします。
具体的には以下のような書類が有効です。

  • 売買契約書のコピー
  • 不動産取得時の領収書
  • 売却時の経費に関する領収書

また、利益が発生していない理由を、準備した書類を基に明確に説明できるようにしておきましょう。

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不動産売却後に確定申告を忘れた場合のリスクや対処法

不動産売却後に確定申告を忘れた場合のリスクや対処法

不動産売却後の確定申告が不要だと誤認し、申告を怠った場合、さまざまなリスクが発生する可能性があります。

リスク①無申告加算税の発生

無申告加算税とは、確定申告義務があるにもかかわらず、申告をおこなわなかった場合に追加で科される税金です。
原則として、納付すべき税額に対して、50万円までの部分は15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額が加算されます。

リスク②延滞税の発生

延滞税は、納税期限を過ぎた場合に追加で科される税金です。
納付が遅れるほど金額が増加するため、注意が必要です。

リスク③融資への悪影響

確定申告の不履行は、金融機関からの信用低下につながる可能性があります。
結果として以下のような事態が生じる恐れがあります。

  • 新規融資の拒否
  • 既存融資の打ち切り
  • 取引関係の終了

確定申告を忘れた場合の対処方法

上記のリスクを回避するためには、以下の対策が有効です。
確定申告の必要性の正確な判断
不動産売却による利益の有無を適切に計算し、特例適用の要否をしっかりと確認しましょう。
申告期限の厳守
通常、確定申告の期限は不動産を売却した年の翌年の2月16日から3月15日までです。
申告が必要な場合は、期間に余裕をもって早めに確定申告をおこないましょう。
専門家への相談
税理士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
記録の適切な管理
売買契約書、領収書等の不動産取引に関する書類を適切に保管しておくことが大切です。
手続き書類を保管しておけば、将来の税務調査等に備えることもできます。

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不動産売却後に確定申告することで適用できる3つの特例

不動産売却後に確定申告することで適用できる3つの特例

不動産売却の確定申告時に適用できる特例は、以下の3つです。

①マイホームの3,000万円特別控除

正式名称は、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例です。
本特例は、マイホームの売却時に発生した利益に対し、最大3,000万円まで控除できます。
たとえば、売却利益が3,000万円の場合、全額控除により課税所得が0円となるため、納税が不要となります。
特例を適用するための主な条件は、以下のとおりです。

  • 自己居住用の家である
  • 建物と敷地(または借地権)を一体で売却する
  • 建物取り壊し後の土地売却の場合、譲渡契約まで住居以外の用途に使用しない
  • 売主と買主が特別な関係(親子、夫婦等)にない

ほかの特例と併用が可能な場合もあり、適用されると大きな税負担軽減効果が期待できます。

②軽減税率の特例

不動産売却時の税負担を効果的に軽減できる特例として「所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」もあります。
適用条件は、売却する居住用不動産の所有期間が10年を超えていることです。
特例が適用されると譲渡所得6,000万円以下の部分について税率14.21%まで軽減されます。
なお、通常の長期譲渡所得に係る税率は、20.315%です。
他の特例と併用することもできます。
たとえば「マイホームの3,000万円特別控除」の適用後もなお利益が発生する場合に適用可能です。
特例の適用には確定申告が必要となるため、申告漏れに注意しましょう。
また、不動産の所有期間10年超の要件を満たしているか、取得日を正確に確認することも大切です。
「所有期間」とは、土地や建物の取得の日から売却した年の1月1日まで引き続き所有していた期間を指します。
相続や贈与により取得した不動産は、原則として、被相続人や贈与者の取得した日から計算します。

③不動産売却にともなう譲渡損失の特例

「マイホーム買換え時の譲渡損失損益通算および繰越控除の特例」は、不動産売却時に譲渡損失が発生した際に適用可能な特例です。
損益通算により、譲渡損失の額を他の所得から控除し、納税額を軽減することができます。
また、1年間で控除しきれなかった損失は最長で3年間、繰り越して控除することが可能です。
この特例は不動産売却における損失を効果的に軽減するため、適用条件を満たす場合は活用するのがおすすめです。

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まとめ

不動産売却時に確定申告が不要かどうかは、譲渡所得の計算をして確認しましょう。
確定申告が必要なのに申告を忘れた場合は納税額に追加して、無申告加算税や延滞税を科されるため、注意が必要です。
特例を適用する場合も確定申告が必要となるため、事前に適用条件を確認しておきましょう。
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