2023-10-02
国税庁は7月、2023年の路線価を発表しました。全国平均は「+1.5%」で、2年連続の上昇。経済活動の再開やインバウンド需要の回復など、アフターコロナが見据えられ始めたことが起因し、全国的に地価が上昇しています。
千葉県では全国平均以上の上昇が見られましたが、成田市は横ばいです。
路線価は、地価を示す指標の1つで、道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格を指します。相続税評価、固定資産税評価を算出する際に用いられる指標です。
地価を示す指標には、他にも公示地価や基準地価が挙げられます。それぞれの特徴や違いは、次のとおりです。
千葉県だけで見てみると、2023年の路線価は前年比2.4%の上昇となり、全国平均を上回りました。下落した地点はゼロで、県平均の上昇は10年連続です。最高値は、船橋市本町1丁目の236万円/㎡。こちらも10年連続です。
県内の14地点中7地点で上昇が見られました。とくに上昇幅が大きかったのは、習志野市のぶらり東通り、市川市の元八幡駅前通りなど。いずれも10%以上の上昇が見られています。
大きく上昇した地点に共通するのは、付近に大型商業施設があることです。コロナ禍の収束を受けた経済活動の再開が、商業地の人手を増やしていることに起因しているものと考えられます。
成田市を含む6地点は、変動率±0で横ばいでした。上昇が見られた地点は、東京へアクセスしやすい地点を中心としています。路線価の評価時期は、2023年1月1日と新型コロナウイルス感染症が5類感染症移行の前であり、インバウンドが戻り切っていなかった時期でもあることから、今後の上昇が期待されます。
2023年の千葉県路線価は、全国平均を上回る「+2.4%」の上昇となりました。これは、一都三県では東京に次ぐ上昇率です。とくに大型商業施設が近くにあり、東京へのアクセスが良いエリアでは10%前後の上昇率が見られています。一方で、成田市を含む6地点は±0の横ばいでした。
今回の路線価とともに、基準地価、公示地価も、近年はコロナ禍からの回復を顕著に示しています。とはいえ局所的にみると、今回の結果のように、上昇している地点ばかりではないことがわかります。不動産の売り時を考えるうえでは、市場全体の動きだけでなく、視点を落として「今」と「今後」を見極めることが大切です。