2022-10-29
「不動産価格が高騰している」というニュースをよく耳にします。しかし、不動産を売り時を考えるうえで大切なのは、所有しているエリアの不動産市況です。成田市の不動産売却を検討している方は、市場全体といったマクロな情報だけでなく、より身近な成田市の公示地価や不動産価格の推移、人口推移などミクロな情報にも目を向けるようにしましょう。
この記事では、マクロとミクロのデータから成田市の「今」と「これから」の不動産市況を考察します。
成田市の土地・中古マンション・中古戸建、いずれも高騰傾向にあります。
成田市の2022年の地価公示価格は「21万2,752円/坪」。この10年間で約1.5倍となっています。
(出典:ライフルホームズ)
成田市の土地価格は、2015年から2016年にかけて下降傾向にありましたが、ここ数年は上昇しています。とくにコロナ禍の高騰率は高く、2019年と比較して約7%高騰しています。
(出典:ライフルホームズ)
中古マンションも、土地と同様、直近の3年間で約7%高騰。10年前と比較すると、1.5倍ほどにまで高騰しています。
(出典:ライフルホームズ)
一方、中古戸建の価格は、ここ数年ほぼ横ばいで推移しています。とはいえ、10年前と比較すると約1.2倍の価格で取引されています。
成田市の土地・不動産価格が高騰している理由として、次の3つのことが考えられます。
(出典:成田市)
すでに人口減少が始まっている日本。しかし、成田市の人口および世帯数は増加傾向にあります。とくに2005年から2010年にかけて、大幅に伸長していることがわかります。
不動産の価格は、需要と供給のバランスで決まるものです。人口・世帯数の増加は、それだけ必要な住まいも増えているということを指します。近年、人口が増え続けている成田市の不動産価格が高騰しているのは、市場の原理を考えれば自然なことだといえるでしょう。
コロナ禍で、自宅で仕事をされる方も増えました。とはいえ、出社する必要がまったくないという企業は限定的です。ただ多くの方の出勤回数が減ったことで、都内やその近郊に通いやすく、なおかつ住まいの広さや快適さを求め、郊外エリアに転居される方が増加傾向にあります。
成田市は、都市部へのアクセスの良さに加え、成田国際空港を有する希少性の高いエリア。広大な自然環境も享受できることから、コロナ禍で需要が高まっているものと考えられます。
不動産価格が高騰しているのは、成田市だけではありません。全国的に不動産市場が活性化している要因は“史上最低”ともいえる住宅ローン金利の水準にあります。
変動金利は0.4%前後、固定金利でも1.5%ほどで借り入れられる現在の状況は、過去に例を見ません。異次元な金融緩和政策を10年近く継続している日本。金利水準の低さは購買意欲に直結するため、不動産の売り時だと考えられます。
不動産価格が高騰している成田市ですが、短期的には横ばいからやや高騰、中長期的には下落に転じるエリアも出てくるものと推測されます。
(出典:成田市)
成田市によれば、2035年までは緩やかに人口が増加し、その後は減少に転じていくと予測されています。増加が見込まれているとはいえ、これまでの増加率と比較するとほぼ横ばい。とはいえ、核家族化が年々進んでいることから、人口が横ばいであれば世帯数は増えるものです。
よって、人口の推移予測を踏まえれば、まだ成田市の不動産価格は高騰する余地があるものと考えられます。
(出典:成田市)
しばらく人口が維持するとはいえ、成田市内では人口の二極化が進んでいます。上記図解の紫のエリアは2015年から2040年にかけて人口が半減近くにまで減ることが予想されるエリア。人口が横ばい、あるいは増加すると予測されるオレンジのエリアは、成田駅および京成成田駅周辺、公津の杜駅周辺、成田国際空港周辺など限定的です。
不動産価格も人口の二極化と比例し「価格が維持・高騰するエリア」と「下落するエリア」の二極化が進行することも懸念されます。
現在の「不動産バブル」ともいえる状況をもたらした大きな要因は、先述通り、住宅ローン金利の低下です。住宅ローン金利は、いまだ低い水準を維持しているものの、2022年に入ってから固定金利は上昇傾向にあります。その要因は、米国の利上げ。欧米諸国は急激に進行するインフレを食い止めるため、金融緩和から金融引き締めへと政策を転換しています。
日本はいまだ粘り強く金融緩和政策を続ける意向を示していますが、物価上昇率は3%を超え、歴史的な円安も進行する今、いつまで金融緩和政策が継続できるか定かではありません。変動金利の水準は、金融政策の影響を受けるものです。日本が金融引き締めに舵を切ったとき、不動産ニーズは減退していく可能性があります。
成田市の中古不動産価格は、高騰傾向にあります。一方で、短期的には金利の上昇、中長期的には人口の二極化など懸念点があることも事実です。売り手市場の今、不動産の売却を検討したいという方は、お気軽にハウスドゥ!成田山にご相談ください。