「訪問査定」と「机上査定」の違いとは?不動産売却ではどちらを依頼すべき?

2023-03-03

訪問査定

「訪問査定」と「机上査定」の違いとは?不動産売却ではどちらを依頼すべき?

不動産売却は、不動産会社への査定依頼から始まります。


売却査定には「訪問査定」と「机上査定」と2つの方法があります。結論からいえば、不動産売却を本格的に考えている人ほど訪問査定がおすすめです。


本記事では、訪問査定と机上査定の違いと訪問査定にすべき理由を解説します。

机上査定と訪問査定の違い


机上査定と訪問査定の違いは、査定の方法や精度など、多岐にわたります。

机上査定とは

机上査定とは、その名の通り机上で行う査定です。実際に現地を見ることはありません。不動産会社が現地を見ずに得られる情報とは、次のようなものです。


  • 所在

  • 広さ

  • 間取り

  • 接道

  • 築年数

  • 相場

  • 市況


これらの情報から査定するのが、机上査定です。簡単かつ速やかに査定額が算出できますが、やはり限られた情報から査定するため訪問査定と比較すれば精度が劣ります。よって、机上査定は「売れる金額の大体の目安を知りたい」「まだ売却するか決めかねている」という方にとって適した査定方法だといえるでしょう。

訪問査定とは

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に現地を見て行う査定です。訪問査定でしか得られない情報は次の通りです。


  • 売却理由

  • リフォーム履歴

  • 劣化状況

  • 眺望

  • 日当たり

  • 騒音

  • 住宅性能


このように、現地を見たり、売主に聞いたりしなければ知り得ない情報は多数あります。これらの情報は、査定額にも影響します。訪問査定は机上査定以上に精度が高く、実際に売れる金額に近い金額を出してもらうことができるのです。



「机上査定は実際に担当者に家に上がってもらう必要がないから楽」とおっしゃる方もいます。しかし、不動産を売却するのであれば訪問査定は必須。その理由は、次の3つです。

1.現地を見なければ適正な査定はできないから

机上査定は、AIなどでも算出可能なデータを寄せ集め、参考価格として提示するものです。先のとおり、不動産の価値を判断するには実際に現地を見たり、売主に話を聞いたりしなければ知り得ない情報がなければ適正な査定額は算出できません。


たとえば、築年数や広さ、間取り、立地が同等のマンションがあったとしましょう。一方は、水まわり設備を全てリフォームしていて、ご夫婦2人で住んでいたので使用感もなく綺麗な状態。もう一方は、ペットを複数飼っていて、子育てもしていたことから使用感が目立ちリフォーム歴もないとすれば、価値が高いのは圧倒的に前者だと考えられます。このように、机上のデータだけでは価値を判断するのに限界があるのです。

2.担当者と実際に話せるから

訪問査定のメリットは、実際に不動産会社の営業担当者と話せるということにもあります。担当者と話すことで、人となりや不動産会社独自のサービスが見えてくることに加え、担当者の考える売却戦略まで聞くことができます。


不動産の売り方は、1つではありません。たとえば、古い家の売却方法は次のように多岐にわたります。


  • 現状のまま売却

  • 引き渡し前に更地にすることを条件に売却

  • 更地にしてから売却活動

  • 不動産会社に直接買い取ってもらう

  • 古い家をリフォームして売却


築年数やその他の条件だけでは適正な査定額とともに「そのまま売れるのか?」「リフォームが必要なのか?」「不動産会社が買い取るべきなのか?」といったことは、不動産会社も判断できません。現地を見て、売主の意向を聞いてこそ、このような売却戦略が提案できるのです。

3.査定額だけで比較することがなくなるから

  • A社:3,000万円

  • B社:2,500万円

  • C社:2,400万円


複数の不動産会社に机上査定を依頼し、上記のような査定額を提示された場合、どの不動産会社を選びますか?「A社を選ぶ」と回答する方が多いのではないでしょうか?


しかし、ここまで申し上げている通り、机上査定の精度は高くないと言わざるを得ません。A社を選んだ後に訪問査定を依頼したところ「使用感が目立つ」などの理由で査定額が引き下げられてしまう恐れもあります。であれば、3社に訪問査定を依頼したうえで各社の考える適正額を聞くべきでしょう。


そもそも査定額とは、その金額で売れることが保証されているものではありません。A社が3,000万円と査定してくれたからといって、A社が3,000万円で売ってくれるとは限らないのです。


訪問査定を依頼すれば、先のとおり担当者の人となりや不動産会社独自のサービス、そして売却戦略を知ることができます。複数社を比較するのであれば、査定額だけではなく、訪問査定でしか知り得ないことを踏まえた提案を比べなければなりません。机上査定はどうしてもその他の情報が少ないため、査定額だけに目が行ってしまいがちであることも欠点だといえるでしょう。


訪問査定に必要な準備


訪問査定前には、次のような書類を準備しておくことをおすすめします。全てが全て必要というわけではありませんが、中には用意しておくことで査定額が上がるものもあります。


「訪問査定前には家の掃除や整理整頓をしておくべき」ということも言われていますが、これは必須ではありません。ありのままを見せていただいたとしても査定額が変わるということはありませんので、お気軽にご依頼いただければと思います。

購入時の書類

  • 売買契約書や工事請負契約書

  • 重要事項説明書

  • 建築確認済証や検査済証

  • 分譲時パンフレット

  • 測量図や公図

  • 権利証

  • 管理規約や使用細則


これらは新築・中古問わず、不動産の購入時にもらっているはずの書類です。契約書ファイルなどとしてまとめて保管されていると思われますので、一式ご用意ください。

住宅の性能を証明する書類

  • 住宅性能評価書

  • リフォーム工事の請負契約書

  • 耐震診断報告書

  • 瑕疵保険の付保証明書

  • インスペクション報告書


これらの書類があれば売却金額が上がる可能性がありますので、お手元にあればぜひご準備ください。

本人確認書類

  • 運転免許証

  • パスポート

  • マイナンバーカード


いずれか、本人確認書類として有効なものを1つご用意ください。不動産は、登記名義人しか売却できません。登記情報と相違がないか確認させていただきます。登記情報と現住所が異なる場合は、住民票もご用意ください。

住宅ローン残高がわかる書類

  • 住宅ローン残高証明書

  • 住宅ローン返済予定表


売却見込み額が住宅ローン残高を下回る場合は、ローン完済のための自己資金をご用意いただく必要があります。自己資金が用意できない状況で売却するには「任意売却」という特別な売却手段をとっていただく必要があります。売り方にも影響するものですので、できる限りご準備ください。

固定資産税納税通知書

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に納税通知が来る税金です。ご売却時には、固定資産税の日割り計算をしたうえで買主から精算金をいただきますので固定資産税がわかる書類をご用意ください。毎年、6月初旬に送付されているはずです。紛失された場合も大丈夫です。お気軽にお申し付けください。

まとめ

不動産売却において、訪問査定は必須の工程です。精度の高い査定額を算出してこそ、売却方法や売却戦略を検討することができます。担当者がご自宅に上がるということで身構えるお気持ちもあるかと思いますが、精度の高い査定額を算出するためにぜひご協力いただけますと幸いです。



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